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マイナンバー制度をがっつり勉強する

マイナンバー制度の概要、そして詳細を理解することを目的としたブログです。

マイナンバーで印刷業界は繁盛しているのか?

マイナンバーで得する・儲かる仕事

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これまで、マイナンバーで儲かっていそうな業界として、IT業界、郵便業界、人材派遣業界について取り上げてきました。そのシリーズの1つとして今回は印刷業界を取り上げます。

 

斜陽産業と言われる印刷業界の現状

まず最初は印刷業界の現状について考えます。印刷業界というと、ここ数年あまり芳しい情報を聞きません。インターネットが普及し、誰もがスマホで情報と接する現在、印刷物の需要は右肩下がりになってしまっているのが現状です。かつての人気雑誌がいくつも休刊になり、企業においてはペーパーレス化というのがどんどん推進されています。さらに、電子書籍も徐々に普及してきており、確実に印刷物は私たちの前から少なくなりつつあります。

市場規模の推移

実際のところ、印刷業界の大手である大日本印刷や凸版印刷、共同など大手も業績を伸ばしているところも少なくありませんが、その多くがデジタルサイネージやその他の新規事業であり、純粋な印刷事業をみるとどこも横ばいか縮小傾向にあります。

市場全体としては、平成14年には8兆円近い規模でしたが、平成24(2012)年には5.5兆円程度。残念ながら現在も徐々に下がっており、平成34年には約4兆円ほどになると見られています。20年で半分ほどの市場規模になると考えられています。

ブラック企業並みの働き方

そのような状況もあって、社員の働き方も健全ではない場合が多いようです。その要因となるのが、印刷業界特有の「待ち」の時間ができること。印刷には多くの人間が関わります。たとえば広告であれば、広告代理店のアートディレクター、デザイナー、下請けのデザイナー、クライアントはもちろん、さらには色校を見るスタッフ、そして印刷会社の人間などなど、これらの人とうまく連携を取れればいいのですが、人数が多いとそうもいかないのが実際です。

そうなると、必然的に多くなるのが待ちです。連絡が取れるまで待とう、そもそも印刷が刷り上がるまで待とう、色見本の現品がそろうまで待とうなどなど、様々な理由から待ちの時間が発生します。それが働く時間をどんどん後ろ倒しにしてしまうことにつながります。もちろん、会社によりけりではありますが、週に数日は終電後にタクシーで帰ったり、締め切りゆえに土日も出社したりということも珍しくないようです。

 

マイナンバーで増える印刷業界の仕事

では、マイナンバー制度が始まって、印刷業界ではどのような仕事が増えたのでしょうか?代表的なのは自治体がマイナンバーでの裏書処理の真偽を確かめるための「PASiD(パシッド)」というツールがあります。マイナンバーなどの煩雑な窓口処理をスムーズにすることで、効率的な業務の実現をサポートします。これは、凸版印刷の子会社である情報管理ソリューションのトッパン・フォームズ株式会社より販売されています。

さらに2016年1月には同じく凸版印刷がNTTデータとともに、保険業界向けのマイナンバー収集業務で協業することが決まっています。保険会社が行うマイナンバーの収集を代行するサービスのようです。

中小企業にはじゅうぶんな寄与はなさそう

このように、マイナンバー関連で大きく業績を伸ばすとしても、凸版印刷や大日本印刷のようなトップ企業である可能性が高そうです。これら2社だけで印刷業界全体の半分近い売り上げをあげています。ですから、これら2社が業績を伸ばすことで、印刷業界全体としては売上等に寄与する可能性は高いと言えるでしょう。

しかしながら、基本的には子会社や下請けの会社にいくのはこれまでとは大きくは変わらない仕事の可能性が高いです。マイナンバーが導入されたことで、さまざまな書類が新しくなったとは思いますが、それらの仕事の内容自体はこれまでとは大きくは変わりません。同じように、印刷をして、同じように待ちの時間も解消されることはないでしょう。

となると、中小企業にとってはこれまでと変わらない大変さがあり、やはり市場の縮小に四苦八苦することになるでしょう。

 

 

マイナンバーが導入されたことで、大手にとっては仕事が増え、繁盛という状況はあるかもしれません。しかし、それが業界全体に寄与するかというと、そういったことはなさそうです。今後、各社の売り上げがどのように推移していくか、見ていきたいと思います。

以上、お読みいただきありがとうございました。

マイナンバー関連業務の増加で人材派遣業界はウハウハ?

マイナンバーで得する・儲かる仕事

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前回の記事ではマイナンバー導入で郵便業界が儲かっているのかを考えました。

mynumber.hatenadiary.jp

今回は人材派遣業界について見てみます。

 

増えるマイナンバー関連の事務処理

マイナンバーが導入されて、いろいろ手間取っている人たちとして、大企業の総務部門というのがあると思います。マイナンバーの管理・保管は当然人が多ければ多いほど大変です。大企業の場合にはグループ連結で1,000人とか10,000万人なんてこともざらです。すべての人の情報をきちんと管理するというのは相当な手間になるはずです。

おそらく、多くの大手企業では専任とは言わずとも、かなりマイナンバー業務の比率の高い担当者を設置しているはずです。彼らの仕事は、まず社内規定を作ることから始まり、実際に個人番号を収集して本人確認、さらにはその正誤の確認や、運用の仕組みの確立など多岐にわたります。

忙しい間は派遣社員さんの手を借りる企業が多い?

こうした状況において、企業の多くでスポット的に派遣社員を雇っていることが予想されます。マイナンバー関連の事務処理が多い期間について、通常業務を派遣社員さんに助けてもらおうということです。

また、マイナンバー導入にあたっては、システム構築が相次いでいる状況でのSEさんの不足、コールセンターの新設といったニュースもありました。これらも人材派遣業界にとっては追い風になっていると言えるでしょう。実際に、人材派遣業界はマイナンバー関連業務の増加で儲かっているのでしょうか?

 

人材の管理コスト増加で増える負担

マイナンバー開始前である2015年9月に人材派遣会社を対象に行われたアンケートがあります。それによれば上述したような、「派遣社員を採用する企業が増える」ことについて前向きにとらえているのはごくわずかということでした。

一方でデメリットとして、「セキュリティ対策の強化が必要になる」「業務負荷が増える」が約7割、「従業員教育が必要」が約5割の会社が負担を懸念しているようです。

懸念されるオペレーションコストの増加

いずれも納得のいくものです。派遣社員を管理する人材派遣業界としては、万が一でも個人情報が流出しないように気を付ける必要があります。また、その点について社員が学ばなければならないというのも、確かに決して簡単なことではないはずです。

そして、業務負荷の増加についてですが、まずすべての社員、そして扶養家族のマイナンバーを収集する必要があります。これは冒頭で大企業の例を出しましたが、実は多くの派遣社員を管理している人材派遣会社こそがこの点について非常に多くの手間を要することになるのです。

登録型の派遣会社の場合だと、登録スタッフの人数は数千~数万というところがほとんどです。そうなると、1人ひとりのマイナンバーを回収するだけでも非常に手間と時間がかかります。

既存業務も大変に

さらに、既存の手続きである健康保険や社会保険、雇用保険等の手続き、それから源泉徴収についても、今後はマイナンバーが必要になってきます。マイナンバー導入によって新しく仕事が増えることに加えて、既存の業務においてもフォーマットを変更したりといった必要が出てきます。小さな人材派遣会社の場合には、そういった仕組みを変更する人材がおらず、会社の業績を圧迫する要因にすらなりかねないように思われます。

これだけ考えると、マイナンバーによって人材派遣会社が儲かるということは、少々考えづらいように思えます。一方で、派遣社員を採用する企業としては、マイナンバーを管理する必要がないので、これは管理コストを節約できる点で有用です。冒頭で述べたように派遣社員の採用が増えるということも、可能性としてはあるように思えます。実際にそういった企業や統計があるのか、調べてみます。

株式会社パソナの場合

たとえば、パソナの2016年5月期 第3四半期 決算概要を見てみます。ざっくりと売り上げをみると、昨年比で約14%ほど増えていますが、営業・経常利益では逆に14%ほど減少しています。ただ、これはマイナンバーどうこうではなく、販間費や新規事業のための先行投資によるもののようです。

マイナンバー関連業務については、企業を中心とした外部委託活用が広がっているという認識があるようです。売り上げとしても前年同期比に比べて60%以上増えています。ノウハウ等も蓄積されて、今後はさらなる利益率の改善も見込んでいるとのことです。

まだまだ、マイナンバー制度の効果が見えるのはもう少し先になりそうです。他の企業でもどうなっているのか、どうなっていくのかを見ながら、また改めて様子を見てみたいと思います。

 

 

以上、お読みいただきありがとうございました。

マイナンバー通知カード配達で日本郵便はどれだけ儲かったの!?

マイナンバーで得する・儲かる仕事

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マイナンバーの通知カード配布が始まったのは2015年の10月でした。2016年1月のサービス運用開始のために、そこから怒涛の勢いで通知カードの配布が始まりました。その数なんと日本全国の世帯数である約5500万通。膨大な数です。

 

年賀状並みに忙しかった!?通知カードの配達

もし年賀状が全世帯に少なくとも1枚は届くようであれば、その時と同じくらいの忙しさということになるのかもしれません。年賀状は当然スタッフを増員していると思いますが、マイナンバーは初めてということで読みづらい部分が大きかったかと思います。もし、少ない人員しか配置されていなかったようであれば、その大変さは想像に難くありません。

さらにマイナンバーの通知カードは簡易書留ということですから、年賀状のようにポストに入れてそれで終わりというわけではありません。ちゃんと相手の手元に届くのを見届けなければならないわけですから、多数ある場合には配達時間は相当なものになったはずです。

相次いだ配達遅延

そのように膨大な量の配達だったわけですが、実際のところ配達状況はどうだったのでしょうか?結論としてはかなり遅れたようです。実際のところ、想定では11月中にはすべて配り終わるはずだったのですが、12月中ごろまで配達をしていた地域がほとんどだったようです。

2015年11月12日の朝日新聞によれば、11月11日までに約4割しか郵便局へ搬入できていなかったと書かれています。さらに11月26日の同じく朝日新聞では、その時点で40都道府県分の510万通が12月にずれ込むことが決まっていたそうです。このように、結果としては予定通りとはいかず、マイナンバーの配達は非常に手間取ったようです。

誤配も続出

また、残念ながら誤って配達されることも非常に多かったようです。役所で誤って住民票に記載したり、交付したりすることがあったり、特に東京・千葉・神奈川では隣の住民の通知カードを渡してしまったりと言うこともあったようです。

他にも、11月末には宮崎県で通知カードを紛失するという事件も起きていますし、石川県ではその膨大な配達量にまいったのか、配達を早く終えたかったという理由で、局員が簡易書留の受け取りサインを偽造するといったことまで起きてしまいました。

本来は住所と名前を読み上げて誤りがないかを確認するはずだったようですが、配達員への周知徹底や、彼ら自身の認識不足から、そういった確認が行われていないことも、こうした誤配達を起こす原因となっていたようです。

 

郵便業界にマイナンバー特需はあった?

さて、では肝心の売り上げ増があったかどうかですが、結論としてはマイナンバーの番号土カード配達で、おおよそ150億円の増収を見込んでいるそうです。2015年11月13日の日本経済新聞にはそのように記されています。

上述のような日本で初めての苦労にチャレンジしたことが報われたと思いましたが、なんと人件費の増加があったために、利益的にはほぼゼロに近いのだそうです。

1回限りの日本郵便と関連企業の違い

日本郵便が辛いのは、今後こうした作業が発生する見込みがないところでしょう。初めてということで上記のような想定外のことも多数あったわけですが、次があればきっとさまざまな場面で省力化できるはずです。ただ、当然今後こうした大規模な番号カートの配達は予定されていません。そう考えると、日本郵便にとってマイナンバーの配達や骨折り損のくたびれ儲けだったと言えるのかもしれません。

一方で、マイナンバーに関連した事業を行う業界、前回はIT業界を取り上げましたが、他にも会計や人事のソフトウェア会社や、文具メーカー、警備会社、その他オフィス家具やツールのメーカーなどはこれからがまさしく稼ぎ時になると思われます。

実際にどのような業界が、マイナンバーによって増収しているのか、今後の記事でも取り上げていこうと思います。

 

以上、マイナンバー開始による郵便業界の特需についてでした。
お読みいただきありがとうございました。

マイナンバー制度でIT業界はボロ儲け?

マイナンバーで得する・儲かる仕事

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マイナンバー制度が導入されたことで、仕事が増えた業界、逆に減ってしまう業界というのがあります。儲かりそうと思える代表的な業界がIT業界ではないでしょうか。

 

マイナンバー導入による多数のシステム改築

マイナンバー導入にあたって、政府・地方自治体ともに急ピッチでITシステムが構築されました。いったんは運用を開始していますが、今後は医療や金融サービスとも連携する予定ですから、さらに追加のシステム構築の仕事が増えていくでしょう。

こうした公的なシステムだけではなく、民間のシステムにおいても同様です。たとえば、証券会社などに登録している人だと、既にマイナンバーの登録をした人もいるかもしれません。表面上は入力項目が1つ増えただけのように思えますが、作る側としてはデータベースをつくったり、重複が出た時のエラー設定をしたりと、実は思っている以上の労力をかけているはずです。こうしたマイナンバーによるシステム改修の市場規模は一説では3兆円以上とも言われているそうです。

システム開発に関わった企業

では、どのような企業が開発に関わっているかですが、公的なシステムについてはそのほとんどが大手企業のようです。たとえば、マイナンバーの中核となるシステムをつくっているのは、NTTコミュニケーションズ、NTTデータ、富士通といった一流の企業です。また、サーバー関連についてはNECが中心を担っているそうです。

これに加えて、上述した証券会社やクレジットカード会社、銀行など、業務内でマイナンバーを必要とする会社のシステム改築においては、大手企業のみならず、中小企業も競争に参加している可能性があるでしょう。それらを含めて、規模的には3兆円以上といわれているそうです。マイナンバー制度の開始は、特需であったと言えそうです。

大手が独占?問題視される官製談合

ちなみにですが、上述のようにマイナンバー関連のシステムについては、その多くを大手企業が受注しています。その多くは内閣官房が組織した「情報連携基盤技術ワーキンググループ」内の企業であったということで少なからず批判を受けています。発注が入札方式ではなかったという指摘もあるようです。

また、マイナンバーのシステム発注については、2015年10月頃に担当室長による、IT企業との癒着、金銭の貸付ががあったことが報じられました。とても優秀な方だったようですが、この収賄容疑も、マイナンバーのシステム開発に疑念を投げかける一端となってしまったと言えるでしょう。

以上、マイナンバーのシステム開発にあたっては、さまざまな問題も指摘されていましたが、とにかくIT業界にとっては大きな機会となったことは間違いないでしょう。

 

新たに生まれた関連ビジネス

もう1つ、システム開発だけではなく、マイナンバーが導入されたことで、個人番号を収集するサービスや、ウイルス対策ソフト、セキュリティソフト、さらにはマイナンバーの管理を代行するようなサービスも新たに生まれてきました。下記のような例があります。

  • マイナンバー収集・保管サービス(株式会社オービックビジネスコンサルタント)
  • マイナンバー収集時の本人確認書類の保存サービス(アカウンティング・サース・ジャパン)
  • 企業のマイナンバー管理(セコムトラストシステムズ株式会社)
  • セキュリティソフトのマイナンバー対応(トレンドマイクロ株式会社)
  • 中小企業向けマイナンバー管理サービス(株式会社マネーフォワード)

まだまだこれから本格化していく予定のマイナンバー制度です。今後は年金・医療分野におけるマイナンバーの活用や、マイナポータルの運用開始、相続税や所得税の確定申告での記入、そして民間企業サービスでの利用など、ますますシステムの改築や、新たなサービスの需要が生まれてくることが予想できます。

今後、どのようなサービスが生まれてくるのか注視する必要があると言えるでしょう。

 

懸念されるシステムエンジニア不足

このように、マイナンバー制度が始まったことで、多くのIT企業が特需と言える状況になっているようです。一部の企業ではぼろ儲けと言ってもいいような状況もあるのかもしれません。

しかしながら、今後全く問題がないわけではありません。問題視されていることの1つは、システムをつくる人材の不足です。これはマイナンバーのシステムに限ったことではなく、日本全体としてIT人材が足りないという声が上がっているようです。IT人材白書2015でもそうしたデータが記載されています。2014年の時点で約900社の8割以上がが質・量ともに人材が足りないとアンケートに回答しています。

多発するシステム障害

その影響もあってか2016年1月に制度が開始されてから、実はさまざまなところでシステム障害が起きています。全国の自治体でマイナンバーカードの暗証番号を設定できなかったり、カードの交付が予定よりずっと遅れていたり、本来同じ番号が出ないはずが出てしまったりといったような障害がすでにニュースになっています。

マイナンバーには今後さまざまな情報と連携する予定です。それだけに流出・漏えいが起きた時の被害というのは大きくなることも予想されます。今後のさらなるシステム開発等に向けて、量・質ともに担保されたシステムエンジニアを育成していくことが課題となってくると言えるでしょう。

 

以上、マイナンバー制度によるIT業界への影響についてでした。

 

当サイトでは他にも各業界が儲かっているのか、それとも損をしているのかなど、考えてみました。他の業界はどうなんだろうと思う人は、併せて下記の記事もご覧になってみてください。

マイナンバー関連業務の増加で人材派遣業界はウハウハ?

マイナンバー通知カード配達で日本郵便はどれだけ儲かったの!?

マイナンバー開始で町の写真館・カメラスタジオは大儲け?

マイナンバーで得する・儲かる仕事

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マイナンバー制度がはじまったことで、仕事の現場もいろいろ変わります。マイナンバーを管理する仕事が増えた人もいれば、そうした専門部署ができたなんて人もいるかもしれません。一方で、マイナンバー導入によって一部の業種ではいろいろ困りごとが増えてしまうなんてこともあるようです。

 

写真館について

今回は儲かる仕事のひとつとして写真館を紹介します。写真館はその名前の通り、証明写真などを撮るスタジオです。小さな頃は七五三や学校の入学時に使った方は少なくないでしょうし、大人になると就職活動時の証明写真で使う人が多いのではないかと思います。また、成人式の時や結婚式、出産の時など、人生における節目節目で実はお世話になっているお仕事だと思います。

昔ながらの町の写真館や写真スタジオだけではなくて、最近はビックカメラやコイデカメラ、カメラのキタムラといった大手企業のチェーン化も進んでおり、非常に便利になっているサービスだと思います。

大手の参入による競争の激化

一方で、個人店舗としてはいいことばかりではありません。大手がデパートや大型スーパーにチェーンを出店することで、競争が激化している現状があります。デジタル化が進んだことで費用が下がり、その点で頭を悩ませている店主も少なくないと聞きます。

さらに最近は誰でも簡単に写真を撮れるようにもなってきました。低価格の一眼レフを購入して、スマートフォンを使って、プロ並みとは言わずとも、かなりオシャレな写真を撮れるようにもなってきました。最近はそういったアプリも出ていますので、多少のITリテラシーは必要ではあるものの、自宅でも証明写真を撮ろうと思えば撮れるようになっています。

それらの結果もあって、かつて主流だったDPE(写真の現像などをする仕事)の市場規模は2000年の約6000億から2011年には約1200億円にまで落ち込んだと言われています。

 

個人番号カードの証明写真撮影のために利用者急増

そんな写真館ですが、マイナンバー開始によって最近は利用者が増えているそうです。その理由は、個人番号カードに掲載する証明写真撮影のためのようです。顔写真はの大きさは、パスポートや履歴書などと同じ縦4.5センチ・横3.5センチで、背景は単色のいわゆる証明写真の形式になっています。

需要が増えている理由は様々だと思いますが、この個人番号カードの写真、有効期限が長いのです。二十歳未満なら5年、20歳以上では10年ということで、せっかくなら良い写真を撮りたいと思う方もいるのかもしれません。

また、スマホ等で撮れるようになったといっても、公的な写真となるとなかなか使いたくないと言う人も多かったり、やはり素人ということで写真がぶれてしまったりで証明写真で使用するのは難しいと言ったパターンもあるようです。

高齢者に特に人気

とりわけ人気なのが高齢者の方のようです。最近は証明写真の機械もオシャレになったり、精度が上がってきていますが、高齢者だと操作が難しいという場合もあるようです。実際、各地でこうした需要が増えており、北海道の帯広市にある写真館や佐賀県のある写真館では、例年の倍以上の受付がきているそうです。また、東京の五反田にある岡崎写真館というところでは、企業のために出張サービスをしたりと、積極的にサービスを展開しています。

 

個人番号カードの発行希望は、2016年3月末時点でまだ10分の1程度だと言われています。今後、マイナンバー制度が私たちの生活にさらに深く浸透することになっていけば、さらに写真館での撮影は増えていくでしょう。

もちろん、スマホアプリで簡単に撮れたり、自分たちで上手な写真を撮れることはいいことですが、写真館だからこそという写真もありますし、その雰囲気ってやっぱり独特で、人生の節目にお世話になる素敵な場所だとも思います。

まだ個人番号カード用の写真を撮影してないという方は、一度お住まいのお近くの写真館に足を運んでみてはいかがでしょう。

 

以上、お読みいただきありがとうございました。

世界各国のマイナンバー制度事例と分類

世界のマイナンバー制度の現状

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2016年1月から始まったマイナンバー制度ですが、当ブログでもお伝えしてきたとおり、世界の様々な国で既に類似の制度は行われています。代表的な国としては下記があります。いくつかについては当サイトでも、既に記事で詳しくご紹介していますのでぜひご覧になってください。

 

各国の制度の名称

  • デンマーク(国民登録制度)
  • エストニア(国民ID制度)
  • 韓国(住民登録制度)
  • スウェーデン(個人番号制度)
  • フランス(住民登録番号制度)
  • アメリカ(社会保障番号制度)
  • オーストリア(中央住民登録制度)
  • ドイツ(納税者番号制度)
  • シンガポール(国民登録制度)
  • イギリス(住民登録番号※2011までに完全廃止)

これまで紹介してきたとおり、いずれの国でもそれぞれ課題があります。日本としてはそうした国々に学ぶことでよりよい制度にできるのではないかと思います。

 

マイナンバー制度3つの分類

上記のようにさまざまな国で行われているマイナンバー制度ですが、運営方針によって大きく3つにわけることができます。それぞれについて簡単にご紹介します。

フラットモデル

マイナンバー1つによってさまざまなジャンルの情報を管理する方式です。代表的なのはアメリカで、アメリカでは社会保障番号1つで税金、年金、医療、自動車登録、運転免許、社会扶助全般、銀行やクレジットカードなどの民間サービスまで非常に幅広い分野を扱っています。

1つの番号でさまざまな情報を管理できる利便性はありますが、一方で社会保障番号1つが流出したら個人情報がたくさん流出しやすいというデメリットもあります。実際、社会保障番号が流出することによる個人情報の漏えいはアメリカの社会問題となっています。2005年からはこうしたセキュリティ、さらに過激化するテロへの対策も踏まえて、ICカードを一気に普及させるなど対策も行われました。しかし、いまだ成りすまし等の犯罪は多数起きています。

アメリカ以外にはスウェーデン、韓国、エストニアなどが代表的なフラットモデルの国として知られています。

セパレートモデル

次にセパレートモデルですが、これはフラットモデルとは逆に、マイナンバー1つで扱える分野を限定しましょうという考え方です。たとえば、医療は医療固有の管理番号、年金には年金固有の管理番号を用いるといったイメージです。

ドイツではマイナンバーは「納税者番号制度」という名称の通り、税金分野における手続きである給与源泉徴収や年金源泉徴収などでしか利用することができません。フラットモデルのように行政分野を横断して1つの番号で管理しようとするのは、過去に既に違憲として定められています。背景には東西分裂、ナチス時代に権力によって個人を管理していたことへの反省もあるようです。

メリットとしてはプライバシーの保護、セキュリティの強化があります。仮にマイナンバーが流出しても、そこから医療や年金に関する情報を引き出されることはありません。さらにドイツの場合には独立した第三者機関として「データ保護観察官」という組織を定めています。これによって、公権力による個人情報の悪用を防ぐのです。

セクトラルモデル

次にセクトラルモデルですが、これは基本となるマイナンバーを用いて、それをもとに各分野については異なる分野として使用するというものです。代表的なのはオーストリアですが、ここでは国民登録番号に加えてPINと呼ばれる別個の暗号を加えて、基本となる税金や年金、医療に加えて、26にも及ぶ分野の情報を管理することができるようになっています。

電子申請する際に日本でいうところの個人番号カードである、市民カードが使われます。その時に個人のマイナンバーだけではなく、PIN(ssPIN)と呼ばれる番号を用いることで、ようやくログインできるようになります。つまり、認証を段階的にすることでセキュリティを高めているのです。

 

日本のマイナンバー制度について

では、日本のマイナンバー制度は上記3分類のなかでは、どこにあてはまるのでしょうか。考え方はいくつかありますが、セクトラルモデルが最も近いと言えそうです。

まず日本で使われる12ケタは意味を持ちません。これはオーストリアと同じです。一方、フラットモデルではそれぞれ桁が生年月日や性別を意味したりしています。

次に使用分野についてですが、日本ではマイナンバーの利用範囲は税・社会保障・災害対策に限定されています。これもオーストリア、もしくはドイツに近い考え方です。特に日本では上述したオーストリアのPINの仕組みと近い方式をとっています。

そのあたりを踏まえると、まずフラットモデルではなく、セパレートよりはセクトラルモデル寄りだと言えそうです。

 

 

以上、世界各国のマイナンバー制度について紹介しました。お読みいただきありがとうございました。

マイナンバーで実際に起きた詐欺被害と海外の事例

セキュリティやプライバシーの話

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マイナンバー制度がはじまってはや3か月。なんだかほとんどマイナンバーに関わらないままできてしまったという人もいるかもしれません。2016年4月5日に下記のような見出しのニュースが報道されました。

「マイナンバー発券227万枚 カード申請の2割、障害響く」

(産経新聞)

マイナンバー制度の浸透はまだまだこれから

ようはマイナンバーの個人番号カードをつくるところが、システムの障害続きで希望者のうち2割くらいの人間にしかカードを配れていなかったようです。気になったのは現在発行したのが227万枚というところです。それで2割ということは希望自体は約1000万件というところなのだと思います。

この点については、実は3月の頭頃にも総務省から発表がありました。その時点で希望の受付件数が約900万件。発行済みは約106万件ということでした。総数が1000万件とするならば、日本の国民のおおよそ12分の1くらいです。制度が始まって3か月、それで12分の1の申請というのは多いのか、少ないのか。まだまだマイナンバーによって私たちの生活が便利になるというところまでは時間がかかりそうです。

 

相次ぐシステム障害や詐欺被害

一方で制度開始から今まで、上述のようなシステムトラブルや詐欺被害についてはいろいろと世間を賑わせています。聞いたことがある人も多いでしょう。たとえば下記のようなものがあります。

制度運用開始前

制度の運用が始まる前に起きたこととしては、偽のマイナンバーを伝えて大金を要求するといった詐欺が話題になりました。また、名義貸しを口実に現金を要求されたり、警察の名をかたるなどといった被害も出ていました。マイナンバーに限らず、理解が十分でないお年寄りを狙ったり、制度開始直前の混乱期を狙ったりと、気を付ける必要があるでしょう。

2016年1月以降の実害

実際に制度が始まった2016年以降も、こうした被害は起きています。

  • スーツ姿の男性が訪問、マイナンバーを受け取るにはお金が必要と言われ、3万円支払ってしまった(近畿地方・70代男性)
  • マイナンバーを教えたら偽の弁護士から名義貸しをしたと警告。500万円を支払った(東海地方・80代女性)

こういった内容で2016年度の2月7日までに342件もの相談があったそうです。もともと懸念されていたことではありますが、今後もこうした詐欺、セキュリティ上の問題が出てくることは十分に考えられます。

上述のようにマイナンバーカードが未だ約200万枚しか配られていない状況で、既に多数の被害が出ているわけです。これが国民全員にカードが行き渡るとなると、上記のような犯罪以外にも、様々な問題が一気に増えてくるのではないでしょうか。

実際に今後どのようなことに気を付ければいいのか。マイナンバー制度でいえば先輩にあたる各国での事例をもとに考えてみましょう。

 

海外であったマイナンバーの詐欺被害

さて、それではマイナンバーに近しい制度を導入している他国では、これまでにどのような詐欺被害があったのでしょうか。1930年代からマイナンバーに近しい制度を行っているアメリカと、1960年代から行っている韓国の2つをとりあげます。

アメリカで起きた借金地獄事件

さて、まずはじめはアメリカの話。高校を卒業した女の子が初めて自分のクレジットカードをつくろうとしたら、なぜか拒否。学生でも受かる審査の緩いカードのはずなのになぜだろうと思い調べてみると、なんとクレジットカードで約1億円もの借金をしていることになっていたそうです。原因はアメリカでのマイナンバーである社会保障番号が盗まれていたことでした。いつの間にか本人に成りすまされて、勝手にカードで買い物をされていたというわけです。

韓国で起きたマイナンバー販売事件

次は韓国の事例です。2008年頃から立て続けに個人情報の流出が起きた韓国ですが、その際に盗まれた番号が売買されるという事件も起きています。2014年にはなんと約1億人ものマイナンバー情報が流出してしまっています。犯人はクレジットカード会社のシステム構築をした人間で、USBに機密情報を入れて持ち出したそうです。ベネッセで起きた個人情報の流出事件と非常に似ています。

細かい内容は違えど、国民総背番号制という基本は変わりません。セキュリティを強化するためには、こうした各国の事例はきっと役立つはずです。ちなみに、それぞれの国の制度の詳細については下記記事に詳しいので、ぜひ合わせてご参照ください。

 

 

以上、お読みいただきありがとうございました。