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マイナンバー制度をがっつり勉強する

マイナンバー制度の概要、そして詳細を理解することを目的としたブログです。

アメリカのマイナンバー「社会保障番号制度」とは?

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さて、今回からはマイナンバーに類似した制度を、各国がどのように運用しているのかを紹介していきます。第一回目はマイナンバー制度の先進国と言えるアメリカです。

 

社会保障番号制度(Social Security Number、略してSSN)

アメリカ版のマイナンバー制度と言える「社会保障番号制度(Social Security Number、略してSSN)」、これが始まったのはなんと1936年です。当時のアメリカは経済恐慌のただなか、フランクリン・ルーズベルト大統領によるニューディール政策の一環としてスタートしました。

もともとは年金等の社会保障制度における事務作業の効率化、それから徴税を主目的とした制度でしたが、現在では税金の支払いから、銀行口座の開設、アパート・マンションなど住居の契約、また大学に通うのにも仕事をするのにも必須となっています。もはや生活をするうえでは欠かせない情報なのです。

どのように利用するのか?

では、実際にSSNはどのように利用するのでしょうか。まず、日本と違う点としてSSNは9ケタの番号です。日本のマイナンバーは12ケタですね。また、日本のマイナンバーが各桁に特に意味を持たないランダムな数字の羅列なのに対して、アメリカの9ケタはそれぞれに意味があります。

使い方としては日本と大きく変わりありません。上述した生活のなかでの様々なシチュエーションで書類に記入をしたり、パソコン等のネット環境下で番号を入力したりといった感じです。ちなみに、日本ではマイナンバーを事業等に利用できるのは行政機関のみですが(提出は民間からも求められるが)、アメリカでは民間企業でもマイナンバーを使って自社の事業に活用することができるという違いもあります。

 

頻発するアイデンティティーセフト(Identity theft)

日本のマイナンバー制度をさかのぼること80年も前から、始まっていたアメリカの社会保障番号制度ですが、実はさまざまな問題を抱えてきました。その代表的な問題が、セキュリティ上の懸念であるアイデンティティーセフトです。

なりすましによる個人情報の悪用が起きている

これは、自身のIDを盗まれて情報を悪用される意味です。その悪用のされ方はさまざまですが、代表的なのがなりすましです。自分の番号を盗まれたと思ったら、身に覚えのない情報が突然多数来る(たとえば、なぜか勝手にクレジットカードに登録される、身に覚えのないものを勝手に購入されている、DM・チラシ等が大量に届くなど)といった被害が多発しているそうです。その数はなんと年間で1,000万件を超え、アメリカでもっとも多い犯罪がこうしたSSNの脆弱性を利用した詐欺なのです。

さらにアメリカは昨今不法移民を大きく問題視していますが、このようなアイデンティティーセフトを巧みに利用して、不法移民が職を得るために他人になりすますといった事態も起きているようです。

こうした事態は制度開始直後から起きており、その要因の1つとしては社会保障番号制度の記載されたカードにセキュリティ機能がないことも指摘されていました。なんと開始直後から長きにわたり、本人の顔写真すらなく、しかも紙製でつくられていたのです。そのため、簡単に模造品もつくれてしまう始末。80年も前のことですから、仕方ないのかもしれませんが、ずさんなセキュリティ意識が多くの問題を生んだことも間違いありません。

政府による様々な対策

もちろん、政府としてもこのような状態を野放しにするわけにはいきません。紙に印刷することを禁じたり、健康保険証からSSN番号の記載を削除したりといった取り組みが行われたそうです。

しかし十分な成果をあげられず、アメリカ政府はせっかくの社会保障番号を使わないですむようにシステムそのものを作り変えることを進めているそうです。

アメリカを教訓に日本で進むセキュリティ強化

日本のマイナンバー制度はこうしたアメリカの事例を受けて、仕組み的にも、技術的にもセキュリティの強度は高められているようです。たとえば目的外ではマイナンバーは使えない、利用の際には身分証明書が必要、カード自体に高いセキュリティ技術を使用、マイナンバーだけの独自システムを構築といったところです。

しかし、それでも完全に安心とは言えないでしょう。既に同じマイナンバーの人が発見されるなど、想定外の事態も起きているからです。日本においても、今後どのようなセキュリティ問題が起きるかというのは注視していかなくてはならないでしょう。

 

 

以上、アメリカのマイナンバー「社会保障番号制度」についてでした。お読みいただきありがとうございました。