マイナンバー制度をがっつり勉強する

マイナンバー制度の概要、そして詳細を理解することを目的としたブログです。

韓国で普及している「住民登録番号」とはどのような制度か?

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前回はアメリカのマイナンバー制度である、社会保障番号制度(Social Security Number、略してSSN)を紹介させていただきました。

mynumber.hatenadiary.jp

今回紹介するのは韓国版のマイナンバー制度、「住民登録番号」です。アメリカの社会保障番号制度が始まったのはニューディール政策時の1936年でしたが、韓国の住民登録番号も歴史は古く、1968年にスタートしています。マイナンバー制度については、この2か国は日本よりずっと先輩ということですね。実際、日本でのマイナンバー開始時でもさまざまな点で両国を参考にしたそうです。

 

生活に深く浸透している住民登録番号

さて、この住民登録番号ですが、まず日本との制度との違いは桁数が13ケタ(意味合いとしては6ケタと7ケタで分かれています)だという点です。アメリカのSSNが9ケタでしたから、桁数というのは各国それぞれ違うようです。

活用されるジャンルとしては、大きくは下記になります。日本が現在では税・社会保障・災害対策に絞っているのと比べると、その対象範囲の広さがわかります。

  • 年金
  • 医療
  • 金融
  • 通信
  • 不動産取引
  • 住民登録
  • 選挙
  • 兵役
  • 教育

上記のように、民間事業者が行う本人確認等でも利用されます。実際の利用場面としては、運転免許の取得、銀行口座の新規開設、各種保険の加入時など、さまざなシチュエーションがあります。もちろん多少の違いはありますが、基本的な仕組みとしては日本のマイナンバーに非常に似ていると言えるでしょう。

 

電子政府サービス「民願24」との連携

韓国のマイナンバーで特徴的なのは、民願24と言われる電子政府サービスと連携している点です。この民願24は行政での各種手続きをすべてネット上で行えるシステムで、そのなかで住民登録番号を用いて申請等を行うことができるのです。

たとえば、戸籍謄本を取得する際には、PCブラウザから住民登録番号でログインして、家庭用プリンターから印刷することができます。他にもこうした公的な書類を家で入手することができるのです。その数はなんと約1300種類の証明書になり、約3000種類の届け出になるといいます。日本ではいまだこうした公的書類の取得のために、わざわざ役所まで出向かなければならないことがほとんどです。そう考えると、この民願24は非常に便利なサービスだと思えます。

日本のマイナンバーにもマイナポータルというWEBポータルサイトがありますが、今のところはこうした機能の導入は決定していません。もちろん、セキュリティなどいろいろな課題はあるかと思いますが、民願24のように便利になればいいなと思います。

 

相次ぐ個人情報の大規模漏えい事故

ただ、韓国の住民登録番号にも問題点はあります。その1つが個人情報の流出です。社会の急速なIT化、インターネットの普及によって、これまで以上に多くの事件が起きています。2008年にオークションサイトから約1800万件、2010年にショッピングサイト・クレジットカード会社から相次いで約2000万件、2011年にはネットゲーム等から約3000万件、2014年には大手クレジットカード会社から約1億件の個人情報が流出しています。

このように、セキュリティ上の脆弱性をついた問題に加え、他人の住民番号を盗用する事件も数多く起きています。アメリカの社会保障番号制度でもなりすましが続発していると冒頭の関連記事でお伝えしましたが、韓国でも同様に住民登録番号が悪用される事件も起きています。

韓国政府によるセキュリティ強化

そのような状況を受けて、韓国政府としてもさまざまな対策を行っています。まずネット上での住民登録番号の登録を禁止しました。これは住民登録番号に限らず、住所や電話番号、生年月日もそうですが、こうした重要なプライバシー情報をネット上に置いてしまうと、常に漏えいの危険性にさらされているということになります。こうした危険をなくそうとしたわけです。

代わりに用いたのが、I-PINと呼ばれる新たな認証サービスです。I-PINとはInternet Personal Identification Numberの略で、主にオンライン金融取引で使われてきた、セキュリティを高めるための番号です。韓国はこれを公共サービス、さらには民間サービスへの転用したわけです。

さらに、個人情報保護法の改正も行われました。あまりに情報漏えい、なりすましが起こることを憂慮して、基本的に住民登録番号の収集を禁止することにしたのです。これによって、特定の事業者・そして政府にしか基本的には住民登録番号を扱えなくなったわけです。

 


このような対策の結果が明確になるのはもう少し先の話でしょう。ただ、悪意ある人たちがどのような行動を起こすかというところは、引き続き注視していく必要があります。

以上、韓国のマイナンバー制度「住民登録番号」の紹介でした。お読みいただきありがとうございました。