読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

マイナンバー制度をがっつり勉強する

マイナンバー制度の概要、そして詳細を理解することを目的としたブログです。

エストニアのマイナンバー、国民ID制度とは?

f:id:marrige130110:20160401153324j:plain

前回はドイツのマイナンバー制度「納税者番号(Steuer-Identifikations-Nummer, IdNr)」を紹介しました。

mynumber.hatenadiary.jp

ドイツの制度はセパレートモデルと呼ばれるものでしたが、今回はフラットモデルの1つのであるエストニアの制度を紹介します。

フラットモデルでID制度を行っているのは他にスウェーデン、アメリカ、韓国、デンマーク、ベルギーなどがありますが、なかでもエストニアの制度はしっかり整っていることで知られています。聞き馴染みのない国だと思いますが、なぜエストニアの制度は優れているのか、どこが優れているのかを本記事で考えていきます。

 

エストニアってどんな国?

まずエストニアという国について簡単にご紹介します。ロシアの西に位置し、南にはラトビア、リトアニア、ベラルーシがなどがあります。国土の北川と西側は海に面しており、海を挟んだ北側にはフィンランドがあります。バルト三国の1つでEU、NATOに加盟しています。人口は約130万人の小国です。

IT立国として有名

特筆すべきは、はやくからIT立国化を国策として進めていた点です。もともと場所柄、めぼしい産業が育たなかったことで、このような方針になったそうです。電子政府、電子IDカード、ネット・バンキング等が早い時期から普及をしていました。他にも電子カルテ、ネット選挙ネット確定申告等も進められています。さらに政府そのものを電子化するe-Estonia(電子政府)という面白い取り組みも行われています。

ちなみに、いまや世界中で多くの人が利用しているIP電話・メッセンジャーのSkype(スカイプ)もこの国の生まれです。

こうしたIT立国としての施策を進める中で、マイナンバー制度、国民ID制度の構想が生まれ、実現のために施策が進められました。全国民へのIDカード交付が完了したのは2002年です。当然IT化もされており、インターネット上でさまざまなことをできるのです。

 

国民ID(マイナンバー)制度の概要

では、エストニアで行われているID制度はどのようなものなのでしょうか?一番の特徴は上述したITとの連携です。公的サービスのみならず、民間サービスも国民IDカードひとつで、まとめて管理、そして利用することができるのですが、その数なんと3,000を超えると言われています。日本でもマイナポータルがありますが、こうしたネット、ITとの連携という点ではエストニアのほうがはるかに進んでいそうです。

ただ、基本的には日本の考え方と近くなっています。国民はそれぞれIDカードを持ち(エストニアでは15歳以上は義務)、そこには顔写真等が記載され、ICチップが内蔵されています。そのカードを使ってさまざまなサービスを利用するわけです。本人確認するときはICチップを読み取らせ、各人のセキュリティ番号を入力します。

利用範囲の広さも特徴

もう1つエストニアの制度で特筆すべきは、そのシチュエーションの広さです。いくつかの用途について上に書きましたが、他にもEU圏内であればパスポート代わりになったり、民間企業等で会員証として利用できたり、お薬手帳も使えます。日本と似ているところもありますが、現状を見るとエストニアの制度からいろいろと参考にすべきところがありそうです。

しかし、そうなると気になるのはセキュリティの問題です。日本でも懸念されている話ですが、便利になればなるほど盗難や紛失が起きた時には、そのリスクが大きくなります。いったいエストニアではどのようなセキュリティ、プライバシー対策を行っているのでしょうか?

 

X-ROADによる強固なセキュリティ

セキュリティのみならず、エストニアのITシステムの中心となっているのが、X-Road(エックスロード)と呼ばれるシステムです。これはエストニアの社会保障や医療、各民間企業のサービスなどを統合する基幹的なシステムです。まずこれによってセキュリティを高めています。

サイバー攻撃の被害をきっかけにセキュリティを強化

さらに2007年にサイバー攻撃の標的となった過去を活かし、NATOのサイバーディフェンスセンターの本拠地になる、大統領がセキュリティを推奨する指導者として有名になったりと、政府が率先してシステムのセキュリティを高める努力を重ねてきたのです。

結果として、警察などの公務員がランダムにやむをえず国民の情報を見るようなことがあった場合にも、なんとそれが当の本人にわかるような仕組みが実現されています。逆にもし個人的な理由で国の職員、公務員が個人の情報を見るようなことがあれば、その人間は懲戒解雇になる可能性すらあるといいます。人々のプライバシーを守るという原則を信じ、それがきちんと実行されているのです。

 

 

以上、エストニアで行われているマイナンバー制度「国民ID制度」でした。お読みいただきありがとうございました。