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マイナンバー制度をがっつり勉強する

マイナンバー制度の概要、そして詳細を理解することを目的としたブログです。

デンマークの個人識別番号とはどのような制度か?

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前回の記事ではエストニアを紹介しました。

mynumber.hatenadiary.jp

今回紹介するのはデンマークです。デンマークではマイナンバーに似た制度として、
個人識別番号・CPR(Central Persons Registration)が1968年に開始されました。

アメリカが社会保障番号制度を始めたのが1936年、韓国の住民登録番号が1968年、イギリスで2006年、ドイツで2003年、エストニアで2002年、そして日本では2016年~と見てみると、デンマークがマイナンバーを開始したのも早い時期だったと言えるでしょう。

 

制度の概要

デンマークのCPRはもともと、ドイツと同じく税務関連における管理番号としてスタートしました。それが徐々に他の分野にまで広がり、今では社会保障や医療、教育分野、さらには銀行の登録などの民間サービスにおいても使われるようになっています。現在の日本とは異なり、デンマークでは民間企業での利用も制限されていないために、非常に幅広い活用がなされています。

CPRで用いられる個人番号は生年月日と4ケタの番号が組み合わされています。日本のマイナンバーはすべてランダムに設定されますので、このあたりは大きな違いと言えるでしょう。また各桁に意味もあるので、当事者の性別などさまざまなことがわかるようになっています。

以前は紙製のカードが使われていましたが、それは2010年に廃止されています。現在は逆に国民健康IDカード、運転免許証、パスポートに個人番号が記載されるようになっています。

CPRの特徴

デンマークの制度の特徴の1つはITシステムとの連携です。デンマークでは住民番号をもとに、さまざまな登録情報を一元的に管理できるシステムが出来上がっています。ウェブ上で税金や健康医療、教育などについてさまざまな情報をチェックできるのです。このおかげでさまざまな申請等の手続きがデジタル化されて簡単になることで、日々の生活が便利になっています。

政府としてもいわゆる電子政府の構築を目標にしており、上述のようにさまざまなことをインターネット上でできる仕組みが既にできています。セキュリティについては、政府から独立したデータ保護庁という組織と、国防省のサイバーセキュリティーセンターがそれぞれ運用をしています。

プライバシーに寛容なお国柄

日本と同じように当初はこうした取り組みに反対の声がなかったわけではありませんが、プライバシーに関する被害がほぼ起こらなかったこと、そして政府としても地域住民を巻き込むことを念頭においた取り組みをしたことで、反対運動はなくなりました。

背景にはプライバシーに関して寛容な国民性も関係があるようです。上述のように、CPRの個人番号には各桁に意味があり、それを見るだけで生年月日等の情報を知ることができます。それにもかかわらず、現在ではこの形態が当たり前のこととして流通しています。

また、北欧では同じ名前の人も珍しくなく、日本と比べるとお役所等で困ることも少なくないようです。その点、CPRがあれば管理側も利用者も非常に便利になるために、プライバシーの危険性よりもその利便性が重視されているということもあるようです。

 

現金を利用できなくなる!?制度の弊害?

そんなデンマークのCPRですが、問題がないわけではありません。その最たるもののひとつが、デンマークにおいて、2016年以降は現金がほとんど使えなくなる可能性があるということです。事の発端は政府が指定された業種については、現金払いを拒否できるという方針を表明したことです。

それに応じる形で2013年にデンマーク最大の銀行であるDanske BankがMobilePayという電子マネーのアプリをリリースしました。これは既にデンマークの多くの人に普及しており、ほとんどの人がこのアプリで決済をするようになっているそうです。

行き過ぎた管理社会?

現金払いができないというのは時に不便もありそうですが、さらに問題視されているのがこのアプリがCPRの個人番号とひもづけられているという点です。つまり、このアプリを利用すると、いつだれがどこで何を購入したかというのが記録されることになるのです。入金額や残高も把握されることになってしまいます。

このようにプライバシーが筒抜けだということも問題ですが、さらにこのような状況が当たり前になると、今度は電子マネーが使えなくなるような事態が起きた時が大変です。電子マネーなしでは何も買い物をすることがきなくなってしまうということです。

確かに電子マネーがデンマークのように普及することは便利ですが、ここまですべてを管理できるということは、逆に危険があるのかもしれません。

 

 

以上、デンマークのマイナンバー制度「個人識別番号・CPR(Central Persons Registration)」についてでした。お読みいただきありがとうございました。